個人でお店を運営している方や自身のスキルを武器にフリーランスとして活動している方、一人社長(小規模ビジネス)などにとって、商品・サービスの認知度を高めて売り上げを伸ばしていくためには、インターネットでの情報発信が不可欠な時代です。
また、その発信する情報(コンテンツ)は、どのくらい「わかりやすい」のか?という充実度が求められています。
この記事では、コンテンツマーケティングに取り組んでいる方で「頑張って発信しているのに、なかなか認知度が上がらない」という方に向けて、「一見正しいプロセスを踏んでいるように見えて、実は間違った情報発信をしているかもしれない話」をお届けします。
コンテンツ制作における情報の充実度
コンテンツ制作に取り組むと、よく「情報を充実させることが大事」と言われます。筆者もこれはとても重要だと思いますし、それが成果を上げる一因だと確信しています。
では、コンテンツ制作における「情報の充実度」とは一体何なのでしょうか?
筆者は記事や動画、ebookなど数多くのコンテンツ制作に携わってきたこともあり、情報の充実度を意識すればするほど、逆に失敗してしまうケースが多いことに気づきました。
まず、自分が考える「情報の充実度」には、2つのタイプがあります。
1.検索エンジンのための充実度
これは検索エンジンで上位表示されることを狙って、たくさんのキーワードや情報を詰め込むことを指します。しかし、それでは読者が混乱するだけの質の低いコンテンツになりがちです。
2.読者のための充実度
これは読者が本当に知りたいことを考え、その情報をていねいに集めて提供することです。この方法なら、読者にとって役に立つ質の高いコンテンツを作れる可能性が高く、結果的にSEO(検索エンジン最適化)にも成果が出やすくなります。
項目 | 検索エンジン(SEO)のための充実度 | 読者のための充実度 |
---|---|---|
思考の出発点 | 検索エンジンの攻略 | 読者のニーズ |
情報ボリューム | 過剰 | 適度 |
情報の質 | 低い | 高い |
情報の選択 | なし | あり |
情報の一貫性 | なし | あり |
文脈 | なし | あり |
独自性 | なし | あり |
特徴 | 競合サイトのリサーチ キーワードリサーチ | 読者の理解 品質の向上 |
コンテンツを制作する側が目指すべきは、もちろん後者の「読者のための充実度」です。なぜなら、コンテンツを読む(見る)のはユーザーであり、彼(彼女)らは自分にとって役立つ情報を求めているからです。
読者のためにコンテンツを充実させるには?
具体的にどうすれば「読者のための充実度」を実現できるのかを考えてみましょう。
検索エンジンのための充実度は避けるべき
検索エンジンに向けて、キーワードをたくさん詰め込むようなコンテンツ作りはもう時代遅れです。上位表示されている記事から情報を抜き出してまとめるのではなく、まずは読者が本当に知りたいことに焦点を当てましょう。
読者のニーズを満たすコンテンツを作る
読者がどのような状況でその情報を必要としているのかを考え、そのために必要な情報を選び出して提供します。つまり、情報の量ではなく質が重要です。たとえば、読者が「初心者向けのダイエット方法」を知りたいとき、必要な情報だけを的確に提供し、読者の疑問や不安を解消することが大切です。
ここからは具体例を見ながら解説していきます。
たとえば、下記のような目次の記事があったとします。
記事タイトル:プログラミングスクールの選び方
目次
プログラミングスクールとは
1.1. スクールで得られるスキル
1.2. 意外と高額な運営費用の背景
プログラミングスクールをおすすめしない5つの理由
2.1. 途中で挫折する可能性が高い
2.2. 就職サポートが期待と違う
2.3. 収支が見えにくい
2.4. 独学でできる内容が多い
2.5. 高い費用対効果を実感しにくい
プログラミングスクールで失敗した実例3選
3.1. 高額な受講費用を払ったが、学習が続かなかったAさん
3.2. 就職サポートが形だけで、結局転職できなかったBさん
3.3. スクールで学んだスキルが現場で使えなかったCさん
プログラミング学習で失敗しないために当社がお伝えしたいたった1つのこと
プログラミングスクールをおすすめできるケース
おわりに
こうした記事の想定されるユーザーは、
・プログラミングスクールについてあまり知らない
・ネガティブな評判を聞いたことがある
・受講するべきかどうか判断したい
なので、訴えかけるべき主張として、記事では読者が検討しているプログラミングスクールを「選ぶべきかどうか」という明確な結論を伝えるべきです。
またその結論を支えるため、スクールのメリット・デメリット、実際の成功例や失敗例を通じて、読者のニーズにしっかりと応える内容が求められます。
もし、この記事がSEOのための充実度を高めるだけだったら、次のような構成になっていたことでしょう。
- プログラミングスクールとは
- プログラミングスクールのメリット
- プログラミングスクールのデメリット
- プログラミングスクールはやめとけ?ぼったくりや質の低い講師を解説
- プログラミングスクールの選び方
- プログラミングスクールで失敗しない方法
- おすすめのプログラミングスクール
- まとめ
これは、関連キーワードや競合となるコンテンツが「メリット」や「デメリット」などの情報を取り上げているだけで、SEO的視点で情報を引用した典型的な構成です。踏み込んだ主張もなく、何を解決できる記事なのかもわかりません。情報が羅列されているだけだから、独自性が失われているのもご理解いただけるはずです。
読者にとって価値のあるコンテンツを作るための6つのステップ
1. ターゲットユーザーを明確にする
誰に向けて書くのか、具体的な一人を想像してみましょう。昨今はペルソナマーケティングは不要なんて声も聞きますが、幅広くターゲットを設定すると、やはりメッセージがぼやけてしまいます。
2. 明確なゴール設定
ユーザーがあなたの記事を読んだ後に何を達成できるかを考えます。たとえば「投資熱が高まっているけど、どの投資が自分に合っているか知りたい」のように具体的なゴールを設定します。
3. 重要ポイントを押さえる
ユーザーが知りたいことにフォーカスしましょう。「何を知りたいのか」に対して、「どこで買えるか」や「いつ買うべきか」ではなく、まさにその「何」に答えるようにします。
4. 重要ポイントを深掘りする
中心となるポイントを深掘りしましょう。たとえば、「外壁塗装の費用相場」というテーマなら、さまざまな角度から費用を細かく分析することで、どの部分にいくらかかるのかが明確になります。
5. 必要な情報のみをピックアップ
情報の詰め込みすぎは、読者が混乱する元です。最初のステップに立ち返って、本当に必要な情報だけを選びましょう。
6. わかりやすいストーリーを作る
集めた情報を、読者にとって自然な流れで整理します。単なる情報の羅列ではなく、論理的な流れで読者が理解しやすいように構成しましょう。
まとめ
検索エンジンのためだけにコンテンツを作ると、一時的には順位が上がるかもしれません。しかし、読者にとって本当に役立つコンテンツを作ることが大切です。コンテンツを制作する側が目指すべきは、読者が満足し、共感を得られるコンテンツの制作です。
この記事でお伝えしたプロセスを経て、読者にとって価値あるコンテンツ作りに励むことで長期的な成功を目指しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。