さくらこ

【連載】ルビーの日常〜妊娠出産バンザイ

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シェアハウスで暮らす2人の子を持つ女性ルビーの日常を描く連載エッセイの第七弾です。第一弾はこちら

▼目次

1.産休の菜々子ちゃん

今日は平日のお休み。
住人もみんな外出しているのでルビーはぷらぷらお散歩中です。

「こんにちは。ルビーさんお久しぶりです」

「おお!久しぶりだね」

ご近所の菜々子ちゃん。

朝のゴミ出しで知り合って、通勤の駅までの道のりで仲良くなった菜々子ちゃんに久々に遭遇した。

「今日はお休み?」

「実は〜産休なんですぅ」

「まじか!やったー!おめでとう。めちゃ嬉しいんですけど〜」

実は、菜々子ちゃんはまあまあのだめんずウォーカーでね。
いろいろと聞かせていただきましたが、それはまた別のお話。
今は、年下のご主人と幸せな日々なのよ。

「その節は、たくさんお話し聞いてもらってありがとうございました」

さらに菜々子ちゃんは長い間、不妊治療に通っていてね。
時々は軽く飲みながらお悩みを聞いていたので、ルビーの嬉しさ全開ですね。

「私はお散歩なうですが、菜々子ちゃんはどこ行くの?」

「私もお散歩なうです」

というわけで、ばったり再会した菜々子ちゃんとお散歩します。

「で、いつの間に!つうか今何カ月よ?」

「あっという間に8カ月なんです。ルビーさんお仕事で出張とか忙しそうだったから、言いそびれちゃった」

確かに、半年前から考えても出張で新潟1カ月とか、毎日ほぼ仕事で遊べなかったもんね。

「妊娠悪阻つわりは大丈夫だったの?」

「もう大変でした。旦那も仕事忙しいし、お母さんも友達と旅行とかって来てくれないし。もちろん仕事は休めないし」

「あああ。なんで私も仕事忙しかったんだああああああ。つわりは泣く思いだから、付き合ってあげたかったよ。ごめんね」

「気持ちだけでも嬉しい。どうにか乗り越えられたし、今は元気もりもり。ご飯も美味しくて幸せです。産休に入ってから体重増えちゃったので、毎日お散歩してます」

「そうか。今元気ならよかった。つわりが終わって妊娠後期に入ると体重がめちゃ増えるのよね。赤ちゃんも一気に大きくなって、お腹もどんどん大きくなって重たいから体を動かすのもなかなかしんどいよね」

「そうなんですよ、7カ月くらいからどんどんお腹が大きくなって、あっという間にこんなにパンパンになって。
あと2カ月弱ってどうなっちゃうの?人間の皮膚ってこんなに伸びちゃえるのかってびっくり」

こんな感じで40分ほど、ぷらぷらと二人でお散歩しました。
初めての妊娠って不安だよね。
安心して出産できるように応援したいな。

2.不安だらけの菜々子ちゃん

菜々子ちゃんからLINEがきた

「帝王切開に決まりました。
初期の検診でも帝王切開での出産になるかもって言われてたんだけど。
今日の検診で確定した〜」

私は二人とも自然分娩だったね。
お腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出すのか。
下半身麻酔するとはいえ痛そうだし不安だよね。
励ましたい。

「今の医療はすごいから、大丈夫だよ。菜々子ちゃんが世界初の帝王切開出産じゃないし〜w
今から決まってれば予定も立てやすいし。医者も安全安心の出産を考えての判断だろうし。
資料見たり、シュミレーションして準備しよね」

こんな事しか返せないけども。菜々子ちゃんはどんな気持ちだろうな。

数日後、菜々子ちゃんからのメッセージ

「帝王切開についてググったり、妊娠雑誌読み漁ったりしてて凹んでます」

「えええ!どうしたどうした?凹んじゃってんの?
それは良くないから、お散歩に行こう」

「はい。お願いします」

公園に集合した。
菜々子ちゃんはどんよりとベンチに座って空を見ていた。

「菜々子ちゃん、こんにちは」

「ルビーさん〜。私の赤ちゃんどうなっちゃうんですか?自然分娩じゃないと丈夫に育たないんでしょ。
帝王切開で生まれた赤ちゃんは、肺が弱いうえにママから腸内細菌をもらえずアレルギーやぜんそくになる、免疫力が弱くなるって書いてありました」

「おいおい〜どうした〜。まあ歩きながら話そう。深呼吸して〜」

一気に話しだした菜々子ちゃん。不安でいっぱいなんだね。

「そんな事はないと思うよ。聞いた事ないもん」

「周りに帝王切開した人とかいるの?その子供は今どんな?」

「友だちにも知り合いにも帝王切開した人はいるよ。お子さん方は元気にやっとりますよ」

「本当に?」

「本当だよ〜」

「私の周りには帝王切開で出産した人はいなくてさ、親も『あらあら』みたいに慰められたりしてさ。旦那は忙しくてあんまり話せないし」

「わかった。絶対大丈夫だから。考えるのやめよう。この件はもうググらない。妊娠雑誌も見なくて良し」

「私もわかった。この件は考えるのやめるね。会って話せてちょっと落ち着いたわ」

よかった〜。それにしてもそんな記事があるんだね。私も初産の時に雑誌読んで人と比べたりして不安になってたな。
話せる人がいなかったから辛い日もあったな。

3.気持ちを新たに出産準備の菜々子ちゃん

「手術日決まりました。その前にランチ行きたいです」

菜々子ちゃんからLINEがきた。
元気そうかも。

「もちろん!行こう行こう。どこに行くか決めておいてね。出産に向けて元気をつけよう」

菜々子ちゃんと約束のランチの日。

よく仕事帰りに菜々子ちゃんと二人で飲みに行ったお店がランチを始めたんだって。

ぷらぷらとお散歩して菜々子ちゃんのご主人の近況を聞きながら、お店に到着。

「こんにちは、お久しぶりです」

「いらっしゃいませ。おお。ルビーと菜々子じゃん。久しぶりだね。来てくれてありがとう」

マスターがめちゃイケメンなんだよね。つい二人でボーッと見ちゃう。

「マスター変わらずイケメンですよね。ランチはスパイスカレーのみなので、出来上がったら届きます」

ほう。そうなのか。優柔不断な私には選ばなくていいのは嬉しい。
インドカレー、スリランカカレーは食べるけど最近流行りのスパイスカレーは初めてかも。

「スパイスカレー流行ってますよね。テレビで数回観てて、食べてみたいなあって思ってたら、ここのお店がスパイスカレーのランチ始めたって聞いてびっくり!」

「びっくりだよね」

「最近は、旦那も仕事は忙しいけど話を聞いてくれてね。手術の予定日前から産休育休を取れるって決まってさ。ちょっと安心感」

よかった。一番近くにいる旦那さんとお話しできてたら安心だよね。

両手に大きなお皿を持ってマスター登場。
カレー三種類とターメリックライス、紫キャベツはアチャアールだね。彩りも鮮やか。

「今日のカレーはダル(豆)とサグ(青菜)とバターチキン。副菜はアチャールとサブジとカチュンバルね。ターメリックライスはおかわりしてね」


「おいしそう。テレビで観た事があるけど、実際に食べるのは初めてなんです」

「アチャールはインドの漬物。
サブジは煮物。
カチュンバルはチョップドサラダのような。
カレーとターメリックライスと副菜をそのまま食べても、混ぜても美味しいよ」

うんうんと興味深く聞いちゃうよね。

「流行りのスパイスカレー食べてみたかったからめちゃ嬉しい。いただきます」

「おいしい」
「おいしい」

スパイスが程よく効いて食べやすいけど食べた事のない味でした。

「おいしかったね。付き合ってくれてありがと」

「おいしかった。こちらこそ素敵な時間をありがとう」

「出産がんばるよ。まだまだ不安でいっぱいだけど、今は楽しみでもあるんだ」

「マジか。よかったよかった。妊娠出産って大変だよ。でもさ、人生のいい思い出になるんだよ」

「この子の1歳のお祝いにやってみたい事があるんだ。『選び取り』って将来占いって知ってる?」

「あ。沖縄バージョン知ってる。いいね。選び取りね。やろうやろう」

がんばれ!菜々子ちゃん!

To be continued…

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