矢島真沙子

家族仲が良くなるコミュニケーション術|相槌の「さしすせそ」で聞き上手に

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「明日、部活試合だっけ?お弁当いるんだっけ?」。高校生の娘に何気なく問いかけました。すると娘は急に不機嫌になって、こう返してきたのです。

「ねえ、わたしの話しちゃんと聞いてた?それ何回目?」

え?何か怒ってる?でも、そう言われてみれば聞いていたような気もします。

でも、記憶が曖昧だから、私はこうして確認しているのですが、、、娘が不機嫌になっているからには、何度も尋ねたに違いないのでしょう。

「家族に何度も同じことを尋ねる」こうした経験はありませんか?

尋ねられた本人は確かに答えました。しかし、尋ねた側が覚えていません。つまり、「きちんと聞けていない」のです。

きちんと聞けていないから、覚えられない。これは、単に記憶力だけの問題ではなく、聞けないことそのものに、原因があるのではないでしょうか。

1.「聴こえている」と「聞いている」は違う

どんな場面でも、流暢に言葉が出て、惹きこまれるような話し方ができる。いわゆる「話し上手」な人を見ると、「ああ、コミュニケーションが上手に取れているな」と羨ましくなるかもしれません。

しかし、居心地の良い話し相手とは、流れるように話ができる人とは限りません。むしろ、じっくり話を聞いて、理解して、覚えられる人の方が一緒に居て信頼が持てる居心地の良さを感じると思うのです。

では、そんな「聞き上手」になるためにはどうしたら良いのでしょうか。

もちろん、聞くといっても、貝のように口を閉ざしていればいいわけではないし、ただひたすら「ウンウン」と相槌を打っていればいいわけでもありません。「聴こえている」と「聞いている」は全く違います。

特に家族間の会話では、長年同じ空間で過ごしていることもあり、相手の言いたいことを受けとめる意識がおろそかになりがちです。

そこで大切なのが聞き上手になるためのコミュニケーション術です。

2.今日からできる家族の話を「聞く」ようになる3つのコツ

家族との会話で「私の話、聞いてなかったでしょ!」「これで3回目だよ!」などと言われないためにも、覚えておくと良いコツは大きく分けて3つあります。

2-1.会話を心地よくするのに有効な相槌の「さしすせそ」

1つ目は、会話を心地よくするのに有効な相槌の「さしすせそ」です。

あなたは「相手の話を聞こう」と思ったときに、相手に顔を向けていますか?目を見ていますか?

もちろん、何かをしながらでも構いませんが、少なくとも相手の顔を見て、聞き手である自分の声が届くように意識して対応するのが望ましいといえます。

特にスマホを見ながらやテレビを見ながらだと、そちらに意識が行くので、相手の話が記憶に残りにくくなるので気をつけたいものです。

また、適度なタイミングでの相槌(あいづち)を忘れないようにしましょう。相槌は同じパターンを繰り返すのでなく、数種類を使いまわすと、単調になりがちな会話が盛り上がります。

例えば、私は相手が喜ぶ、5種類の相槌「さしすせそ」を実践しています。

さ…「さすが」
し…「知らなかった」
す…「すごい」
せ…「センスあるね」
そ…「そうなんだ」

この相槌を感情をこめて使えば、相手は自分を認めてもらえたと嬉しくなることでしょう。

表情や体の向き、相槌は相手への興味がどのくらいあるかのバロメーターです。話が聞ける人になるために、ぜひ覚えておいてください。

2-2.何事も反復が大事

2つめは「反復」です。これは、相手の話しをそのまま繰り返して返すことです。

何事も無意識に行動できるレベルで覚えるには、受験勉強のように反復することが効果的と言えます。

といっても、もちろん発言したことを全て反復するのは不可能です。

なので、会話の中で心に残ったキーワードやあまり理解できなかった部分…つまり、自分の中で気にかかった単語やフレーズをそのまま相手に戻すという行為を指します。

例えば、「明日試合だから、お弁当ね」と言われたら、「分かった」「はいはい」と返事をするだけでなく、「分かった、お弁当〜」のように、大切だと感じたところを口に出します。

口に出したことで、声から脳に言葉がインプットされるので、相手にも「分かってくれた」と伝わりやすくなります。

ここで相手の表現と違う反復をしたら、その場で修正してもらえるので、間違って理解してトラブルになることを防げます。

面倒かもしれませんが、ほんの一語でも、会話の中で気にとまった表現を反復しましょう。反復をして、「相手に戻す」習慣をつけることは、聞き上手になるための近道なのです。

2-3.たった一言の感想が共感を生む

3つめは、一言の感想を伝えることです。

感想といっても、作文のように長々と伝える必要はありません。相手の話しに「自分がどう思った(感じた)か」を一言で表します。

ただし、もしも内容にマイナスな感情を持ったら、「相手がどう感じているか」を想像して伝えることをおすすめします。

例えば、「明日試合だからお弁当ね」について、私の感想をそのまま述べると(えー、弁当〜、めんどくさい)と単なる愚痴になるので、感想を受け取った本人はいい気持ちにはなりません。

なので、この場合は相手がその事柄に関して、思っているだろうことを想像して伝えるのが良いのです。

例えばこう返してみてはいかがでしょうか。「そうか、明日試合でお弁当。1日中だと大変だね」「そうか、明日試合でお弁当。早起きしなくちゃいけないよね」。

これは、興味のない話でも、相手を不快にさせることなく会話が進められますので、ぜひ実践してみてください。

3.まとめ

ついつい適当になったり、後回しになったりする家族とのコミュニケーション。

しかし、身近な人の話を聞けてこそ、外にいる友人や、一緒に仕事をする人の話を聞くことができるようになります。

「ねえ、私の話聞いてた?」と家族に言われないためにも、小さなことから意識し、家族やそのまわりの人たちと良好な関係を築いていきましょう。

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