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コンサル型ビジネスをやるなら知らないとヤバい!戦略と戦術の違いとは?

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組織のマネジメントや商品・サービスのマーケティングなど、経営コンサルティングをする人なら当然知っている経営の基本!この記事では、これから経営コンサルタントとして起業する人はとりわけ知るべき経営の本質を詳しく解説します。

1.経営は科学だ!

経営学もマーケティングも科学的手法です。

科学とは、その理屈や手法を会得していれば、同じ答えが出るということ。事実、1+1は2ですが、人によって1.5とか3にはなりません。

つまり、1+1が2になるのは科学だからです。

一方、科学的手法とは逆に非科学的手法というのもあります。1+1が人によって変わるという考え方です。

たとえば、天のお告げ・おみくじ・タロットカード・カメの甲羅…などを使うものですが、これらは科学的手法ではなく、占いとかオカルトと呼ばれます。

なので、人によって答えが変わります。

非科学的手法は、ヤル気を出したり、背中をポンと押してもらったりするには有効な手段です。

しかし、それらを鵜呑みにして行動すると、成功確率は低くなります。とりわけ経営において、非科学的手法を根拠に物事を進めるのは危険です。

だからこそ、経営を科学的に研究した経営学が存在するのです。

経営学は主にビジネススクール(経営大学院)で取り扱われます。

ビジネススクールでは、アカウンティング(会計学)を皮切りにさまざまなことを学びます。

経営戦略論・マーケティング論・組織人事論・倫理学・心理学・ファイナンス・地政学・起業論…と、挙げていくときりがない科目が存在するのです。

でもこれらは科学的に研究され、論文で発表され、ケーススタディで学生に教えられます。

学生は文字通り命がけで学び、MBA(経営学修士)となって、世界中の企業の幹部になったり、自ら商売を始めたりします。

世界最古のビジネススクールは、1819年にフランスのパリに設立されたESCP EUROPEです。

アメリカでは、1881年に開校されたペンシルバニア大学ウォートン校が最初です。

日本では、1878年に三菱財閥が慶応義塾大学の分校として設立した三菱商業学校が第1号です。

そう考えると、日本はアメリカよりも進んでいたことになります。今は10年遅れていると言われますが。

日本のビジネススクールは、本校を作った福沢諭吉がうらやむほど学生を集めました。日本では現在、一橋大学や早稲田大学を始め、さまざまな大学がビジネススクールを開設しています。

ここまで200年前から科学的に研究されている経営学についてお伝えしましたが、要はそれを学ばずして、経験や勘だけでビジネスの世界で勝負するのは無謀ということです。

運が良ければ成功すると思いますが、たいていは失敗します。

非科学的な手法ではなく、科学的な手法を活用してビジネスの成功を目指しましょう。

2.新人コンサルタントが知るべき3つの数字とは?

経営はひとつの物差しとで計ります。その物差しとは金額です。

1円玉は誰が持っても1円玉、1万円札は誰が持っても1万円札ですよね。

つまり、物差しとが決まっていれば、誰にでも大きさを計ることができます。

誰にでも計ることができるからこそ、すべての経営要素は金額で計るのです。

しかし、経営者の中には、「うちの会社の物差しとはCS(顧客満足度)だとかES(従業員満足度)だ」という人もいます。(CSやESがマネジメントにおいて重要という話は経営の物差しと論点が違うので置いておきます)

これはよくありません。たくさんの違う種類の目盛りがある物差しとで仕事をすると、わけがわからなくなります。

だから、日本ではメートル法で統一され、計量法という法律で「尺」とか「貫」の使用を禁じているのです。

なので、もしCSやESを用いるのなら、それもしっかりと金額で計るべきです。

前段が長くなりましが本項の本題に!

新人コンサルタントが知るべき経営の3つの数字とは、売上・コスト・プロフィットです。

出たよ、横文字!・・・そんなふうに思わないでくださいね(笑)。

コストとは経費、プロフィットとは利益のことです。

それじゃあ、経営の3つの数字は、売上・経費・利益と素直に言えよ!と言われちゃいそうですが、ここでは意識的に横文字でお伝えします。

なぜなら、なまじっか経費とか利益というと、面倒なことが起こるからです。

一言で経費といっても色々あります。実際に、当期の減価償却額も含めて経費ですか?など聞かれることもあるくらいです。

利益も同じで、

・売上総利益
・営業利益
・経常利益

のどれ?と聞く人がいます。

ね、面倒でしょ(笑)。

なので、売上・コスト・プロフィットと表現しています。

それで、売上を分解するとコストとプロフィットになるので、コスト+プロフィット=売上という計算式が成り立ちます。

言い換えれば、売上-コスト=プロフィットです。

簡単なことですが、利益を上げようとするときにやることは2つしかありません。

売上を伸ばすか、コストを削減するかだけです。

そういう意味でも財務知識を身につけることは必要不可欠と言えます。

3.財務会計を知らずして経営の成功はなし

経営の要素はすべてひとつの物差しで計るとお伝えしましたが、その物差しの目盛りは「金額」で刻まれています。

そしてその金額を活用し、さまざまな分析をして戦略に活かすことを「アカウンティング」と言います。日本語に訳すと「会計」です。

日本で「会計」と言うと、「経理」と勘違いされている人が多いように見受けられますが、、、

「経理」と「会計」は全くの別物です。

「経理」は会計で使う数字を、あるルールに基づいて集計する行為を言います。要は「仕事」ではなく「作業」です。

その作業の目的は税務署へ提出する財務諸表の作成です。

しかし、「会計」はまったく性格が違います。

会計では経理が拾った数字を分析や戦略立案に使います。役所に提出するために行う「作業」ではなく、利益を上げるための「仕事」です。

そのため、経理と分けて「管理会計」と表現します。

アメリカでは税務署へ報告するための部門と会計をする部門は別ですが、日本ではいっしょくたにしているところが多いですよね。

日本の会計技術が世界に遅れているのはこういうところに理由があります。上場企業は国際会計基準を強制されているので、アメリカ企業のように対応していますが、企業内で高いレベルで管理会計を理解している社員はごくわずかでしょう。

そういう意味でも会計と経理を混同しないために、会計のことを「アカウンティング」と呼んでいます。

ハーバードやスタンフォードなどのビジネススクール(経営大学院)では、入学初日からアカウンティングの授業が始まります。簿記や経理ではなくアカウンティングです。

アカウンティングはすべての経営学の基礎なので、真っ先に教えるのです。

アカウンティングを意識して経営状態を分析すると、経理だけでは見えなかった部分が明確化されます。

単純な例を挙げると、財務報告用の経理で算出された数字では、固定費と変動費という概念がありません。

営業利益を上げようと思っても、損益分岐点すらわかりません。

なぜなら、財務報告は税金をごまかさないようにする、という目的でルールが作られているからです。

アカウンティングでは、同じ経理で算出された数字を使っても目的は違います。アカウンティングの目的は、力強く利益を増やすことです。

そのため、アカウンティングを意識することで、自社の利益の構造の本質がわかるのです。

4.戦略と戦術の違いとは?

そもそも経営とは何でしょうか?

生きざま?商売?いろんな解釈があると思いますが、ここではハーバードなどのビジネススクールで教えられる一般論をご紹介します。

経営とは「戦略」です。

戦略という以上、昨日と同じことをやり続けることではありません。

夢だけを語って何もしないということでもありません。

逆に、何も考えず毎日ただ忙しい日々を送ることでもありません。

経営者には「夢やロマン」があるはずです。青臭い表現ですが、夢やロマンこそがすべての出発点です。

もし、それがない経営者がいたら、商売をたたんだ方が良いかもしれません。

なので、経営とは夢やロマンを実現するために戦略を立てることと言えます。

それでは、「戦略」とは何でしょうか?

結論から申し上げると、戦略とは「資源の分配」です。

ここでいう資源とは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間の5つで、これらの資源をいかに効率よく分配するか。それが戦略です。

もし、あなたが経営者でこれまで経験と勘だけで資源の分配をしていたとしたら、今から科学的なビジネスの手法として、経営資源の分配を意識してみてください。

きっと、今まで足りなかったこと、過剰だったことが手に取るように見えるでしょう。

もし、あなたがこれから起業しようとしているなら、限られた人的資源・物質的資源・キャッシュ・乏しい情報・足りない時間で市場に出ることになりますから、できるだけ効率よく資源分配をしないと競争に生き残れないと思いますよね。

だからこそ、戦略が必要なのです。

つまりは、経営とは戦略であり、戦略とは資源の分配です。限られた資源を効率よく分配し、経営者の夢やロマンを達成するのが戦略と言えます。

ところで、戦略と同じようによく使われる言葉で「戦術」があります。あなたは戦略と戦術の違いを答えられますでしょうか?

何となく、同じような意味だと思っていたとしたら、それは大変な間違い!!!なので、ぜひここで知識を書き換えていただければ幸いです。

繰り返しますが、戦略は資源の分配なので、兵士の数や移動するための燃料・兵糧の量など、限られた資源をに効率よく分配・配置していかに戦に勝つかを考えます。

そのため、戦略には「作戦」が重要です。どこを攻めるか?そのためにどんな部隊を配置するか?…など。つまり、戦術とはその「作戦」を成功させるための方法を言います。

話を経営に戻すと、経営戦略は経営者が作り、それに基づいた戦略を練るということ。

つまり企業では、各部署の部長や課長が熟練の戦術を駆使して、係長・主任・平社員に指示を出します。

制作の現場なら、経営者の掲げた戦略のもと、実行部隊は命がけでいいものを作ろうするでしょう。

営業の場面では粘り強い販売を心がけるでしょうし、資源調達においては頑張って値引き交渉を行うはず。

こうして組織を構成するすべての人員が作戦を実行することで、経営者の夢やロマンが実現するのです。

あなたが経営者なら、あるいはこれから起業して経営者になろうとしているのなら、まずは夢やロマンを実現するための戦略を掲げましょう。

ちなみに、私はさまざまな業種・業態に適した戦術をコンサルティングすることが可能なので、お困りの際はご依頼いただければと思います(宣伝かよ)。

5.経営とは、夢とロマンを叶えること

経営は夢とロマンを実現するための戦略であり、その戦略を実行する方法が戦術なのはご理解いただけたと思いますが、ここまでのまとめとして、起業から成熟期までのフローをご紹介します。

会社でも個人事業でも経営の起源は、

・こんなことをしたい
・こんなものを作りたい
・みんなをこんな気持にさせたい

・・・という経営者の夢やロマンです。

気持ちの面でも

・お金持ちになりたい
・有名になりたい
・尊敬されたい

・・・などがあってもいいと思います。

とはいえ、夢やロマンをただ語り続けても実現しません。

夢やロマンを実現させるためには、まず事業計画に作る必要があります。

そして、その事業計画をお金に変え、そのお金を資産に変えます。

資産は売上に変え、売上は利益に変えましょう。

利益を生み出したら、それを再びお金に変えて、そのお金を使ってさらに資産を増やすのです。

そうやって事業規模や組織の規模を大きくし、夢やロマンを実現するのが経営です。

起業のフローを理解したら、各段階ではどんなことに気をつかえば良いのでしょうか。

実際、事業計画は親や友人、銀行や投資家を納得させるものでなければお金に変えることができません。

資産とは店舗・設備・備品・商品のことですが、戦略がしっかりしていなければお金は増えません。

だからこそ戦術がものを言います。

そう考えると、やはりアカウンティングの知識がないと、経営は成り立たないのです。

もちろん、ゼロから一人で始めるのは大変ですから、信頼できるビジネスパートナーを見つけてタッグを組むのも良いでしょう。

市場にはトレンドというものがありますから、一人でコツコツ続ける努力は大切ですが、時間という資源を無駄にしないことも大事な戦術の一つです。

6.市場で勝ち抜くために必要な経営の3要素

経営の基礎を学んだら、今度は経営の本質に迫っていきたいと思います。

ここでお伝えするテーマは5つの経営資源と経営3要素をどのように活用するか?ということです。

経営とは戦略であり、戦略とは資源の分配ですが、、、資源の分配を考えるときは、ヒト・モノ・カネ・情報・時間のフレームワークを利用します。

そうすると、戦略を細分化して考えることができますし、戦略が定まれば具体的な作戦を練ることができます。

その作戦を練るにあたって重要なのが「経営の3要素」です。

3つとは、本業・人材政策・資本政策です。

本業は文字通りの意味です。製造ビジネス・物販ビジネス・コンサル型ビジネスなど、さまざまな業種・業態がありますが、その本業でいかに勝率の高い作戦が立てられるか?それが重要です。

実をいうと、世の中の経営者の半分は本業しか考えていません。

それは当たり前だと思うかもしれませんが、残りの2つについても作戦を立てなければ、いずれ経営は行き詰まります。

人材政策は、5つの経営資源の中でもっとも重要な要素です。

人材をいかに育てるか、いかにその世界で商品化するか?非常に重要な要素であるにもかかわらず、それをないがしろにしている経営者は意外と多いのが実情。

彼らは本業が強ければ問題ないと思っていますが、本業が強いのは当然であり、それを扱う人材がエキスパートとなってはじめて大きな利益を生みます!

なので、たとえあなたが一人社長で従業員を雇っていなくても、自分自身への人材政策(自己投資)を行うべきです。

最後は資本政策です。

いくら本業が強くても、人材力があっても、儲けの構造が弱ければ市場競争では敗北するでしょう。

黒字でも倒産は起きます。

そういう意味では、AI導入やWebマーケティングは、あなたの経営3要素を強力にサポートすることができると言えます。

7.経営学3つの基本戦略

経営3要素を踏まえ、本業をより強くするためには3つの基本戦略を考える必要があります。

経営学の最高峰はハーバード・ビジネス・スクールだと言われていますが、そこにはマイケル・ポーター先生という名物教授がいます。先生は生きた伝説の人物です。

1979年、先生がまだ准教授のときに発表した世界的に有名な論文「競争の戦略」の中で「3つの基本戦略」が提唱されていますが、これは企業が取り得る戦略は基本的に3つしか存在しないという考え方です。

(1)コスト・リーダーシップ戦略

コスト・リーダーシップ戦略は、競争相手よりも安い商品でシェアを奪い、ライバルを駆逐します。安い商品を作るためには規模の経済が必要です。100個作るより1,000個作ったほうが1個あたりのコストが安くなります。

これは、いわゆる価格競争で多くの需要があるものを大量生産できるなら有力な戦略です。

(2)選択と集中戦略

これは限られた資源、たとえば才能や労力や宣伝を狙ったところにだけ集中投下するものです。地域や人の属性、性別や年齢など、具体的な需要を発掘してピンポイントで狙い撃ちます。

首都圏の1Rマンションに住む28歳男性で、大手企業のキャリア組で年収400万円…というように、ペルソナマーケティングを基本として、商品・サービスのターゲット層だけはシェアを確実にするのが特徴です。

(3)差別化戦略

これは文字通り、ライバルには真似できない商品や手法を駆使します。コスト・リーダーシップ戦略と違い、規模の経済を働かせなくても良いのが特徴です。

ある意味、独占市場なので価格は好きな額に設定できます。価値が価格より大きいとユーザーが判断すれば、間違いなく売れます。

私が電子書籍を書かせていただいている株式会社まんがびとは、IT出版をコンセプトに行動できる本・10分で読める本という独自戦略をアピールしていますが、まさに出版業界での差別化が図られています。

8.マイケルポーター先生の5Forcesモデル

マイケルポーター先生は、3つの基本戦略の他に5Forcesモデル(競争環境の5つの力)も経営に重要な影響を与えると提唱しています。

これは、市場では5つの力が働いているという考えで、その5つの力を分析することで競争環境を正しく理解できるというものです。

(1)既存の競争環境

今の自分と今のライバルを考えてみましょう。

昭和時代でいえば、独占企業だった郵便局を例にすると、当時はライバルが不在でした。いたとすれば伝書鳩くらいです(笑)

(2)新規参入の脅威

しかし、郵便局の例でいうと、宅配業者のメール便は新規参入の脅威となりました。

ほぼ100%のシェアで、伝書鳩しかライバルがいなかった市場環境に強力な競争相手が参入したのです。

(4)代替品の脅威

ライバルは新規参入者だけではありません。今や菅政権時代の行政改革担当大臣に悪者にされたFAX、そしてE-mailという

代替品は郵便配達が不要になる脅威でした。

(4)売り手の交渉力

(5)買い手の交渉力

売り手と買い手の交渉力とは、原材料にかかるコストの値上げ圧力やユーザーの値下げ圧力のことです。

郵便局にとっては、切手やはがきの紙や印刷代は原材料にかかるコストと言えます。配送費用はそれほど高くないので、郵便局の場合は買い手の圧力はほとんどないでしょう。

しかし、新規参入と代替品の脅威にさらされた郵便局は何かしらの戦略を立てなければ、少子高齢化の日本における事業規模の縮小は避けられません。

そして3つの基本戦略を考えたとき、郵便局の強みである全国どこにでも店舗があるというインフラが差別化戦略につながります。

実際、郵便局はそのインフラを活かして高齢者の見守りサービスを実践しています。現実的にこのサービスが数字上、好調かと言えば微妙なところではありますが、、、経営の考え方として市場に働く5つの力を考慮し、そこから浮かぶアイデアを戦略・戦術に当てはめることが経営そのものなのです。

一人社長でも社員をたくさん抱える社長でも経営者には変わりありません。また経営コンサルタントになるなら、ここまでお伝えした経営の基礎知識を常に把握してこそスタートラインと言えます。

9.まとめ

経営はとても泥臭い行動の繰り返しでもあります。それに夢やロマンがないと、せっかく起業しても経営資源をムダにしてしまうかもしれません。

どんな事業を行うにしても夢やロマンを持ち続け、それを実現するために戦略と戦術をきちんと使い分け、健全な経営で世の中に貢献していきましょう。

また、もしあなたがコンサルティング業務を担うなら繰り返しになりますが、お伝えしてきた経営の基本は知っておくべきです。人の事業を成功させるのがコンサルタントの役割ですから、最低限の知識は身につけましょう。

参考文献:BookNest発行・ハーバードビジネスレビュー、マイケル・ポーター著[改訂]競争の戦略(絶版)

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