埼玉県日高市で手作り石けん教室やハンドメイド雑貨の移動販売、ネットショップを営むベティーとあおぞらの田中悠子さん(以下、田中さん)。
Instagram(インスタグラム)やTikTok(ティックトック)など、SNSを自在に操り、ユーチューバーとしても活躍する姿は、まるで日高市のインフルエンサーです。
「好きを仕事に!」を実現した田中さんですが、その境地に達するまで、一体どのような道のりを辿ってきたのでしょうか。
この記事では、田中さんが事業を始めたキッカケやコロナ禍での事業運営、今後の展望などについて伺ったインタビューの全貌をご紹介します。
ーー現在のお仕事はどのような経緯で始められたのですか?
田中さん:一言でいえば「やりたいことを続けていたら仕事になった」ということです。
もう15年以上前になりますが、長女が生まれたとき、子どもの日用品を作ろうと思ってミシンを買いました。それまで、家庭科の授業くらいしかミシンに触れる機会はなかったのですけどね(笑)。
それでミシンの練習も兼ねてチューリップハットをたくさん作ったのですが、あるとき、余ったものを含めてハンドメイド雑貨をフリーマーケットに出品したんですね。
すると、チューリップハットを買ってくださった方から「自分の親戚とか遠方の人は買えないのか?」と訊かれまして。それがキッカケでネットショップにも出品するようになりました。
ただ当時は楽天やAmazonも主流でなかったですし、「ネットショップなんて怪しい…」という風潮もあって、趣味の領域を超えることはありませんでした。
なので、実際に事業としてネットショップを開業したのは、それからだいぶ後のことです。
ーー手作り石けんの講師として活動されるキッカケは何だったのですか?
田中さん:ミシンを買ったのと同じ時期に、雑貨屋で働く友人から誕生日プレゼントに手作り石けんをもらったんですね。
友人は会社の研修で石けん作りを体験したそうですが、当時の日本には手作り石けんがほとんどなかったので、自分で作れるのは魅力的でした。
ただ、作り方を知りたくて本屋さんに足を運ぶも洋書しかなく、英語が読めないので結局、冊子に載ってる絵や写真を見様見真似で作り始めることにしたんです。
その後、日高市に引っ越してきたのですが、貸ギャラリーを見つけて手作り石けん展を開いたんですね。そのとき、役所の方から「石けんの作り方を教えることはできますか?」と尋ねられたことをキッカケに、手作り石けん講師として活動することになりました。
ーー手作り石けん教室はこれまで何人くらいの方が参加されたのですか?また手作り石けんの魅力は何ですか?
手作り石けん教室は日高市のイベントだけでなく、川越・坂戸・鶴ヶ島など、近隣エリアの小中学校における季節毎のレクリエーションでも行っています。なので、すでに2000人以上の方が参加してくださいました。
手作り石けんの魅力は肌トラブルを抱える方にオススメできることです。
石けんにはさまざまな作り方がありますが、私はコールドプロセス製法を活用しています。
そもそも石けんは油脂とアルカリ成分の化学反応(鹸化)によってできるのですが、コールドプロセス製法は45度前後に温めた油脂と水酸化ナトリウムを混ぜ、時間をかけて自然に熟成させる製法です。
そのため、油脂が劣化せず、保湿成分のグリセリンがしっかり残ります。ただ、こうしたきめ細かい製法から大量生産ができないので、お店で買うと割高感は否めません。
とはいえ、市販の石けんの多くは大量生産するために、製造過程で保湿成分のグリセリンを抜き取ってしまいます。
そういう意味でも、自分で作れる石けんは、材料費くらいしかかからないのでコスパ的にも魅力だと思っています。
ーーコロナ禍ではイベントが激減したと思いますが、どのように乗り切りましたか?
たしかに、イベントが減ってしまったことは痛手でした。しかし、全体的な事業の売上はコロナ禍以前と大きく変わっていません。
コロナ禍では、美容室やエステ・ブライダル関連などの多角的な事業をされている企業様からお仕事の依頼をいただきました。成人式の着物に似合うデザインのマスクや各店舗の制服に似合うエプロンなど、ひたすらミシン作業の毎日でしたね。
またインフルエンサーというわけではありませんが、YouTubeも定期的にアップしていたので、動画制作の仕事もいただきました。
なので、周りからはいつも忙しそうに見られるのですが、コロナ禍であっても自分ではのんびりマイペースで人生を楽しんできたつもりです。
ーー最後に、一経営者として今後の展望をお聞かせください。
自分が楽しいと思うことやる!というスタンスは変わらないのですが、まだ手が届いていないことがあります。
実は、映画チャーリーとチョコレート工場のようなエンターテイメント性のある手作り石けん工房を作りたいんです。単に石けんを生産するだけでなく、親子やカップルで楽しめる、まるで絵本から取り出してきたような実店舗です。
化学的な知識も得られるし、体験によって余暇を充実させることができます。自分用はもちろん、プレゼント用の石けんも手に入ります。
ただそういう工房は、薬剤師さんが必要など、開設するにはいろいろと規制がありまして。資金や人脈など、なかなか簡単にはいかない状況です。
なので、今はその工房をつくることが目標ですね。
おわりにーー
いかがでしたか。
田中さんの話を聞いて感じたのは、人生は楽しんだもの勝ちということです。
もちろん、事業をやる以上、マーケティングやセールスの見識は必要です。しかし、売り手が楽しんでいなければ、買い手もその商品・サービスを楽しむことはできないでしょう。
屋号のキャッチコピーにもあるように「暮らしを彩る」ためには、田中さんのような事業スタンスが相応しいのかも知れません。僕たちも一経営者としてそのスタンスを見習っていきたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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