ずっと温めていた企画を声に出してみたけれど、自分の思うように伝わらない・・・。そんな経験をお持ちの方は少なくないと思います。
でも一体、どうすれば自分の意図を理解してもらえるのでしょうか?
この記事では、TPOに合わせた相応しい言葉選びと説得力でプレゼンすることを目的としたコミュニケーション術をご紹介します。
1.自分の想いを相手に理解してもらう手段とは?
相手に自分の想いを訴求するためには、まず手段を知ることが必要です。
例えば、
・顧客に提案内容を伝える
・上司に業務提案を行う
・メンバーにデータを共有する
・自分自身のアイデアをまとめる
・・・など。
そもそも企画とは、実施したいこと・提案したいことをまとめることです。
そしてプレゼンとは、その企画を適切に伝える手段と言えます。
つまり、企画をプレゼンすることは、自分の想いを理解してもらえるように伝えるという目的の達成につながるのです。
2.企画からプレゼンまでの4つのプロセス
企画をプレゼンするには次のようなプロセスが必要です。
(1)調べる
↓
(2)考える
↓
(3)表現する
↓
(4)説明する
そして(4)説明する、すなわちプレゼンまでの具体的な日程は、14日間(2週間)がゆとりある期間と言えます。
14日間の内訳:
初日から2日目:資料や書類の整理、取材など情報収集を行う。
3日目から8日目:なぜ、この企画を考えたのか?課題は何か?など、論点を明確にして、ゴールを決める。
9日目から10日目:自身の企画を冷静かつ客観的に捉えるために、2日間寝かせる。
11日目から12日目:考えたアイデアを見直して企画書を作成する。
13日目:スライドや動画にまとめる。
当日:聴衆とのコミュニケーションに全力を尽くす。
3.プレゼンまでにやるべき3つの重要ポイント
企画からプレゼンまでのプロセスはご理解いただけたと思います。ただ、各プロセスにおいて気をつけるべきこともあります。
(1)「調べる」段階での注意点
一言に情報収集といってもいろいろな方法がありますが、やってはいけないことがあります。
それはネットの情報を鵜呑みにしたり、〇〇が言ったから!と権威性のある人物の言葉を裏付けなしに信じたりすることです。
世の中には数えきれないほどのビジネスが存在していますので、基本的に僕たちはポジショントークをします。
つまり、権威のある人でも自身のビジネスに有利な発言をしていることが少なくありません。
またネットで最もらしい情報を入手するなら、同じ検索キーワードで表示されたサイトを最低でも30くらい調べてこそ、正確性の高い情報に辿り着けるのです。
情報は何らかの意図があって発信されるもので、事実、あなたが読んでくださっているこのサイトも作家さま・ライターさまの認知度向上という目的で発信しています。
曖昧な情報に惑わされ、企画の進むべき道を見誤らないように気をつけましょう。
(2)「考える・表現する」段階での注意点
このプロセスは文字通り、企画を形にするための答えを考え、どう表現していくかをまた考えるわけですが、、、この段階はある意味、自分自身との戦いでもあります。
例えば、新商品や既存のサービスが売れない現状があり、その解決策(〇〇すれば売れるという企画)を思いついたとします。
しかし、僕たち人間には認知的バイアス、すなわち心理的な影響を受けることが少なくありません。
・この企画を思いついたときはイケると思ったけど、だんだん自信がなくなってきた。
・僕なんかが社長に提言しても良いのだろうか?批判されそうだから胸の内に閉まっておこうかな。
・この企画において〇〇の部分は不安だけど、気にしなくてもいいだろう・・・。
こうした感情は、論理的思考と違って、誤った結末を招く恐れがあります。なので、感情に捉われることなく、論理的思考で導き出した企画なら、迷わず前進してください。
(3)プレゼンでの注意点
最後はプレゼンをするときの注意点です。
ここでお伝えしたいのは、元アップル社のエバンジェリスト(最新のテクノロジーを大衆にわかりやすく解説・啓蒙する人材を言います)ガイ カワサキさんが提唱した10・20・30の法則です。
これは、
・スライドは10枚以内
・プレゼンは20分以内
・資料の文字は最低でも30ポイント以上のフォント
というもの。
人間の記憶は曖昧なので、スライドが多いと、聞き手は後でどんなプレゼンをされたか覚えられません。
またプレゼンを20分以内に終わらせるのは、聞き手が集中力を保てるギリギリの時間だからです。
資料の文字を大きくするのは、文章が読みづらいと、そもそも興味・関心につながりません。
いつも難しい資料をたくさん渡して、長々としゃべり、商談やコンペの成果が得られていない方はこの機会にぜひ改善してみましょう。
4.プレゼン当日に有効な7ヵ条
さて、これまでのプロセスを経て、いよいよプレゼン当日を迎えるあなたに有効な7ヵ条をご紹介します。
(1)大きな声ではっきりしゃべる
もちろん、学生の部活のように大声を上げるわけではありません。ただ、声が吃っていると、聞きづらいので、口角を広げてしっかりしゃべりましょう。
(2)曖昧な表現をしない
日本語は「てにをは」によって意味が変わってしまいますので、主語と述語を間違いないように気をつけましょう。
(3)プレゼンの流れを全て頭に入れておく
プレゼン中の視線は、基本的にスライドの画面ではなく聴衆です。また原稿の棒読みもNGです。
(4)目線を自分に惹きつける
前項に通じる部分もありますが、聴衆を惹きつけるノンバーバルなコミュニケーションを意識しましょう。
(5)聞いている人の表情から理解度合いを探る
聞き手のうなずいたり、身を乗り出して見てくれたりしていれば、「このペースで進めて大丈夫だ」とわかります。
(6)場の状況を見ながら修正や補足をする
前項の聞き手が理解しているとは反対に、退屈そうにしていたり、難しそうに感じたりしていたら、何かしらのアクションが必要です。質問や言葉を変えてみるなど、臨機応変に対応しましょう。
(7)時間内で終わらせる
これはとても重要です。ビジネスパーソンの多くは、不必要に時間を奪われることを嫌います。
なので、ダラダラと無駄話をすることなく、時間内にきっちり終わらせましょう。
5.おわりにーー
いかがでしたか。
自分の想いを人に伝えるとき、大切なのは「誰に・何を・何のために伝えるのか?」という論点を明確にすることです。
人は、よくわからないことには時間もお金も投資しません。わかりやすく、再現性がある商品・サービスでこそ信頼されるのです。
そして今回お伝えしたテーマは、ビジネスだけでなく身近な人間関係にも使えるので、ぜひ伝わる手段と方法を落とし込んであなたの想いを広めていきましょう。